テコンドー・オムスクール 日本国際テコンドー協会師範 厳 斗一が主催する
テコンドー・オムスクール公式ホームページ
ホーム サイトマップ
トピックス
2001年・2002年度テコンドーライト級チャンピォン厳斗一副師範インタビュー


Web master この度は第13回テコンドー選手権大会でのW優勝、そしてMVPおめでとうございます。トロフィーを三つももらっていましたね。


"ありがとうございます。小学生からテコンドーを初めて、今まで国内・海外と何十回と試合に出てきましたけど、MVPを戴いたのは初めてじゃないかな。一番輝いていた選手っていう事でしょ。それが一番うれしいです。大会規模の大小とは関係なくね。輝いていなくても結果が良ければもらえるのかな・・・?


Web master そんな事無いですよ。結果と試合内容の両方で判断されると思いますよ。


それなら嬉しいですね。やはり結果も大事ですが、負けちゃったけどあの人みたいになりたいって思われたほうが嬉しいよね。


Web master では早速ですが、今回の大会を振り返っていかがでしたでしょうか。


はい。結果としては、組手も優勝してMVPも戴いたので、ほっとしていますが、内容はあまり覚えていないんですよ。実は。集中していたのか、余裕が無かったのか、どっちかですよね。今回の大会では、個人的には、パワーで優勝する事が一つの目標だったんですよ。確か去年の大会では、蘇秉秀選手がMVPで、型とスペシャルテクニックの2冠だったんですけど、その時なんかしっくり来なかったんですよ。確かに2部門で優勝する事は本当に大変だけど、MVPの選手は組手で負けてはいけないんじゃないかと・・・。だから今回はパワーと型のどっちかで一つと、組手で一つ、この2冠でMVP。そういう気持ちでいました。 スペシャルテクニックは、話になりません。あんな高いところ蹴れないもん。(笑)


Web master それでは、始まる前からMVPを想定していたと・・・。


みんなそうだと思いますよ。たまたま今回は僕だったけど・・・。全日本に出る実力があれば、MVPに輝くチャンスは全員にありますよ。例えば、名前のそんなに売れていない人が、次から次へと優勝候補を倒して優勝したら、僕ならその人にMVPをあげると思うね。だって一番輝いているでしょ。それでMVP取った人は本当に嬉しいと思うなぁ。


Web master それじゃ、厳副師範はMVPをとっても嬉しくなかったんですか?


嬉しくないわけ無いじゃないですか!!(笑) でも、僕の場合、安心したと言う方が大きいですね。だって、去年勝ってるでしょ。周りは勝って当たり前みたいな目をしているし・・・。さっきも言ったけど、全日本に出る人はみんな実力に大差は無いんですよ。その中で勝つのは大変なんですから・・・。


Web master たしかに、一回戦から激しい試合も多かったですよね。


これは本当です。誰が勝っても本当におかしくないんです。そして、それは運じゃない。絶対に実力。


Web master 厳副師範の1・2回戦を見ると、引き分けもありましたね。準決勝・決勝は全ての旗が上がっていましたけど。


そうですね。2回戦で当った久保田選手は強かったですよ。迫力が一番ありましたね。お前を倒してやるって顔をしていました。そう言う選手とやる時は怖いですよね。こっちも、お前なんかには負けないよって組手をするとダメなんです。


Web master 以外ですね。気迫には気迫でって感じじゃダメなんですか?


ダメですね。僕はダメだと思います。気迫を出すことは悪くないんですが、テンションが上がりすぎると、体は思うように動かなくなるし。そう言う時こそ、その気迫のこもった相手をおちょくってやろうぐらいの気持ちのほうがいいかも・・・。かっと来たら負けです。久保田選手との2回戦で思ったんですよ。相手の気迫に乗ってしまったって。だから2回戦は自分の動きが出来ていなかった。準決勝は力を抜いて行こうと、思っていました。


Web master 準決勝は戸島選手との対戦でしたが、一番力が入っていた様にも思えるんですが、そうすると準決勝で考えていた事は逆なんですね。


そうですね。頭がリラックスしていた方が、体は動くんです。もともと板を8枚割るくらいの蹴りは持っているわけですから、力を抜いても良いんです。パワーの試合で力んでいたら、8枚なんて割れませんよ。


Web master パワーでは、確か7枚でしたよね。8枚は割れなかったんじゃ・・・。


あ・・・。7枚でしたね。人が気にしている事を・・・・。(笑) それと、そうそう、組手の準決勝の直前に、徐萬哲師範が私の横を通ったんですよ。「戸島が気合入ってるよ。気をつけろよって。」徐師範からすると戸島選手は弟子なんですけど、やはり良い試合を見せろって事だったと思います。僕の顔も見ないで、スタスタと僕の横を歩きながら注意して下さいました。でも、その時、(あ、次じゃ負けない)って思ったんですよ。さっき言ったように、気合の入れすぎは禁物なんです。思った通り、準決勝が始まった時、戸島選手は足が動いていませんでした。これなら絶対当ると思って、リラックスしながら前足で思いっきり蹴ったんですよ。


Web master 試合開始直後に戸島選手が倒れた場面ですね。


はい。そうです。以前に埼玉県大会で戸島選手が久保田選手を決勝戦で破って優勝した時に、僕は徐師範と一緒にその決勝を見ていたんですね。その時、徐師範に「戸島は調子に乗るとお前も食われるぞ。」って脅されたんです。で、僕は「全日本でもし戸島選手と当ったら、最初の30秒でへこませないと面倒かもしれませんね。」って答えたんです。勢いのある選手は、始めの内に、お前とは格が違うんだぞって思わせないと、ドンドン調子に乗るから危ないですよ。


Web master では、その通りに試合運びが出来たということですね。


そうですね。最初の一発の蹴りで、戸島選手が倒れてくれたんで、勢いを潰せたと思います。もし倒れた後すぐに同じ勢いで攻撃してきたら、今度は逆に僕のほうにプレッシャーがかかるのに。そうでしょ。あれ、良い感触の蹴りだったのに効いていない、と思うと、自分のペースが狂ってしまう。倒れたのに効いてない・・・。この辺の心理はとても試合の流れに関係してくるんですよ。ジャブ的な蹴りでもそうです。こっちは当ると思っている距離で蹴っているのに当らない。そうなると、自分の距離感が崩れてくるんです。こうなると相手のペースですよね。だから、軽い蹴りでも、重い蹴りでも相手の蹴りに当っては行けないんです。どんな蹴りでも当ってくると自分のペースになってくる。逆に当てようと思っていて当らないと、自分で自分のペースを崩しちゃうんです。だから、テコンドーの試合で足が止まるとどうしょうも無いと思いますよ。KOありの試合なら、力比べ・我慢比べもありますけど、テコンドーの試合は判定を前提としているので、ポイントを取られなくても、相手の蹴りを受けつづけていると、印象も悪くなりますよね。


Web master 決勝戦はいかがでしたか?宿命のライバル朴ソンファ選手との対戦でしたが。


決勝戦は自分でどんな試合をしていたのか、良く覚えていないんです。ただ、去年と違って、ソンファ選手の迫力が昨年ほどは無かったと思います。どこか怪我でもしていたのかな・・・?


Web master とても素晴らしい試合だったと思いますよ。決勝戦は。


リラックスして決勝戦に望めたのが良かったと思います。今大会は決勝だけ入場曲を選んで良いって前日の計量の時に言われたんです。前の日からワクワクして選んでいました。妻にも聞かせたりして。彼女は、「何をはしゃいでいるの」って感じだったけど。(笑) でも、自分の好きな曲で入場できるなんて、プロ選手みたいで格好良いでしょ。だから絶対に決勝には行きたいって思っていて、準決勝に勝ったときは、これで音楽流せるって。それが一番始めに浮かびました。そのことを振りかえると、リラックスできていたんだなって思いますよ。


Web master セコンドは去年と同様に速水副師範でしたね。


はい。速水副師範とは、小学生の頃から一緒に練習してきたんです。彼は僕より2つ年上だけど、速水って呼び捨てにしています。背が小さいから子供の時に僕より年下と思っていて、呼び捨てにして・・・。それからそのままですね。もう怒っていないと思うけど。(笑) やはり彼に後ろにいてもらうと、安心しますね。僕のテコンドーの理想像はいつになっても速水なんです。今、彼のテコンドーを知っている人は少なくなってしまったけど、本当に強かった。強いだけじゃなくて、格好良いの。センスが違う。昔に、速水と、秀一さんと僕の三人で三羽烏って言われていた事があるんですよ。小さい頃に。でも、僕だけいつも勝てないの。この二人には。速水と秀一さんは勝ったり負けたりとかしてたんだけど、僕だけ二人には勝てない。同じ烏でも僕だけ色が違うんだって子供の頃に一人で傷ついていました。(笑) それだけ、自分が信用できて尊敬できる人が後ろにいると、全然違いますよ。頑張れちゃう。この人に認めてもらいたいって思うんですよ。相手は自分の前にいるのに、心の中では後ろに向かって(速水、見てろよ、強いだろ)って思うんですね。世界大会でも、僕の試合の時に後ろから秀一さんが声をかけてくれた事があったんですよ。彼は多分覚えていないと思うけど、本当に心強かった。試合中も後ろを振り返ると、秀一さんが(その調子だ、いけるぞ)って顔をして僕と目を合わせてくれたんです。あの時は、この人に認めてもらえると思って嬉しくて思いっきり頑張りましたね。やはり僕の中では、速水と秀一さんは別格なんですね。


Web master 速水副師範と黄秀一師範は、厳副師範とは、どんなところで格が違うんですか?そんなに実力の差は無いと思いますけど。


僕が二人でかかって行っても勝てないですよ。この二人には。(笑) あの二人は絶対に自分が負けると思っていないんですよ。これって選手はみんなそう思っていそうですけど、心のどこかで無意識にでも負けちゃうかもとか、怖いって気持ちは持っていると思うんですね。それがあの二人には一つも感じられない。これってすごいと思いますよ。僕は相手が誰でも負けちゃうかもって思っちゃうんですね。いつも思っていますよ、正直言うと。ただ、僕も絶対に負けたくは無いんで、しがみついて頑張りますけど。徐師範が僕によく言っていました。「お前は格闘技に向かないなって。文科系の男だからなって。」僕もそう思います。とても怖がりだし。(笑)


Web master 文科系のチャンピォンっておもしろいですね。


そうですね。(笑) でも、いろんな個性的な選手がいても良いでしょ。いつもビビリまくっているチャンピォンがいても。(笑) その緊張感がたまらなく良いって事をテコンドーでは教わったかも。テコンドーをはじめていなければ、やせっぽちの、か弱い普通の青年だったと思います。からまれても目も合わさないで逃げちゃう・・・。(笑) そんな性格の男でも頑張って練習すれば日本一になれるんですよ。


Web master それって、厳副師範だからできるんじゃないですか?普通の青年が努力しただけで日本チャンピォンにはなれないと思いますけど・・・。


そんなことないですよ。昔から僕はテコンドーのセンスはそんなに無かったんです。8級から6級に飛び級できなかったし。(笑) でも、自分で大したセンスが無いと中学生の頃に気付いたんです。速水や秀一さんとは違うって。だからセンスの無い人間が勝つためにはどうすれば良いって事を必死で考えた。強い人の真似をしてみたり、足が痛いと嘘ついて、後ろから人の組手をずっと見てたり。(笑)


Web master それでは、しっかりと考えて練習をすると言う事が大事なんですね。


そうです。本当にそうだと思います。ITF-JAPANのHPに掲載されているインタビューでも答えたんですが、自分の長所と短所をよく理解して、相手に対応する事がとても大事だと思います。根性と気迫だけでは試合には勝てないです。今自分のしている練習が自分の成長のためになっているかどうかを確認しなければ行けないし、そのためには、自分の理想像をしっかりと持って、その道程に自分の練習が乗っているかどうかを確認しないと、汗だけかいて終わってしまう。成長が無い。仕事でもそうでしょ。なんのリサーチも無く会社の隣から1軒づつ営業に回る人はいないと思います。自分の売る商品をよく理解して、その商品の購買層をよんで、ポテンシャルのある地域で営業しないと、時間だけ経ってしまうでしょ。効率よく練習しろって事では決してなくて、進むべき道を間違えたらゴールには到達しないから、自分のゴールを見つけて、そこから逆算して今日の練習をした方が良いってことです。


Web master では、最後にオムスクールのHPを御覧の皆さんにメッセージをお願いします。


20年前にテコンドーを始めた頃は、こんなに武道や格闘技が盛んになるとは思っていませんでした。そのブームにのってテコンドー道場に入会した方も多いと思います。きっかけはどんな事であっても、テコンドーの素晴らしさを知っている人が、今テコンドーを一所懸命に練習していると思います。私はテコンドーを正しく伝えるために、指導者の道に入りました。テコンドーを正しく習得する事はとても難しく、私も常に勉強しています。蹴り一つにしても、高校生の頃考えていた理想、大学生の時に考えていた理想、去年考えていた理想。今の理想、全て違っています。基本的な蹴り方は一つであっても、局面によって効果的な蹴り方は様々です。理想を常に追いながら、テコンドーについて考えていなければ、成長はありません。選手としてテコンドー界で活躍したい人は、常に研究をして下さい。楽しくテコンドーを習いたい人も、もっと貪欲になって見てください。私の様にセンスの無いと思っている人でも、試合で勝てるかもしれません。当然時間がかかり、努力の量も多く必要ですが、楽しくテコンドーに関っていれば、続けられると思います。道順さえ間違っていなければ、楽しんでいる内に強くなっていくはずです。 最近読んだ記事にこんな話がありました。誰の会話だったか忘れてしまったけど・・・。 「何事も5年はつづけなさい。3年つづけて一通りできるようになったと思ってはいけない。その後の2年がとても大切なんです。」 テコンドーを5年で習得できるとは思いませんが、私達の世界にも共通して言える事ではないでしょうか。出来ていると思ってもまだまだ未熟なんです。最後に、これだけは間違いじゃないと思います。どんな人でもテコンドーを頑張って続けて行けば、きっと、やっていていよかったと思える瞬間がやってくるはずです。その瞬間がなかなか来ない人ほど、それと出会えたときには感動も大きいはずです


Web master 今日は本当にありがとうございました。なかなか知る事の出来ないお話も聞かせ ていただいて楽しかったです。好評だったら、またインタビューを掲載したいと 思います。HPを御覧の方で、もっとインタビューを聞きたいという方はメー ルを送ってくださいね。


こちらこそありがとうございました。オムスクールのHPをよろしくお願いしま す。














トピックス一覧
お問い合わせ